エルメスは世界中のセレブまでを魅了する魅力的なメゾン。女性に限らず、男性からも支持の高い製品を発表し続けているブランド。
すべての要素でクオリティの高さを求め続けるこだわりは流石フランスのグランメゾン。エルメスはクラシカルとコンテンポラリーが共存する世界最高峰のラグジュアリーブランドです。
まず今回のカスタムベースのバーキン素材の説明をさせて頂きます。
今回のカスタムベースのエルメスバーキンはヴォーエプソンと言われる素材でした。ヴォーエプソンはクシュベルの廃番後、後継素材として2003年に発表された素材です。 細かい型押しが施され、型押しなので傷に強く硬い質感でありながら軽量で持ち歩きやすい素材です。 傷擦れや水濡れに強く、型崩れもほとんどありません。
うちのお客さまは、クレイジーな創造と発想をします。
今回相談された内容は、電話で
『バーキンの40cmでエプソンと言う素材を持っているのですが普通普通過ぎて。持っていて楽しくないので、なにかクロコでカスタム出来ませんか??』
バーキンをカスタムするとは、普通ではない内容です。
私は基本HERMESとかLV、GUCCI、FENDI、Dior、Christian Louboutin、GIUSEPPE ZANOTTIなど、ハイブランドはあまり好きではありません。デザインは良いと思います。全てではありませんが、でも誰かが持っていて履いていて唯一無二、超個性的なモノは存在しない。またそのブランドを持っている人は本質的にお洒落な人も居ますが、ブランドで固めると結構ダサイ人が多いので、それはブランドに頼っている。結局『どこのブランドなんだ』とそのブランドの力(マーク、ロゴ)に頼っている感じなので、私は好きではありません。そして数年経てばもう恥ずかしくて持てない。持っている人が多すぎる。などロングコンセプトデザインに欠けているのが多いからです。もし誰かがデザインしたハイブランドが好きだったら、自由にデザインオーダー出来る自分のブランドFULLBRIDGEをオープンしていないでしょう。
元い。本題に戻ります。今回いつもお世話になっているお客様からの依頼でした。
きっと本物のバーキンを解体してクロコにする事を出来ると引き受けるところは“0”にちかい“1”だと思う。またどんなに凄い事をしている縫製や生産力があるメーカーやブランド、個人でも、断るだろう。そしてビビってやらないでしょう。
もちろん全くビビってないと言ったらウソ。言わなくても分かると思いますが『研究して解体して1つ1つ糸を丁寧に外して地道にやるしかない』最終的には『結局どこかの職人が作ったバッグなので、どうにか出来なくはない』これがFULLBRIDGEの最終的な答えであります。100%今までに無い労を費やす事になることは間違いないとは思いました。
先ずは、何処をクロコダイルにするかが課題、打ち合わせでした。
また出来上がりのイメージ、センス(ロングコンセプト)も考えなくてはいけません。
また“HERMES”の刻印があるところは残す。
そうすると“ここしかない”と分かってくる。
お客様の希望のクロコの色を厳選チョイス。もちろん今回のバーキンに似合った極めてギリギリなサイズをチョイス。全てリアルバーキンstyleを意識します。
今回も社内極秘が多いのであまり詳しく説明はしないがインナーに使ったゴートスキンもHERMES社が使っているのと同じメーカー同素材のゴートスキンを極秘入手した。そのゴートスキンはオーストリッチと金額が変わらない事にも驚きを隠せなかった。やはりHERMESは全てがスーパー素材であった。他の素材で作っても上手くリアルなstyleに仕上がらない。何事にも理由があるからHERMESもそれを使っている。リアルに使って他の素材でも比べて見ると一目瞭然だった。今回本物のバーキンを解体して分かった事が追加された。大きく成長出来た。
完成したのがこちら。赤のクロコダイルとヴォーエプソンのコラボレーションカスタム。
クロコダイルカスタムでヴォーエプソンの素材が外されているのがリアルな証。
普通の人が見たら、きっとこういうバーキンがあるのだろうと思う良い仕上がりです。
詳しい人は、馬蹄マーク刻印がないから、スペシャルオーダーではなさそうだし。既存ではなさそうだし。
お客様も細かく見ていましたが大満足でした。今回はかなりの時間がかかりましたが、次はあるのか分かりませんが、次回はもう少し時間がかからないで出来ると思います。